ちょっと前に、ジョイマンの高木さんがこんなツイートをされていました。
僕の夢は飛行機の機内誌に連載をもつことです。飛行機の機内誌は素晴らしいと思います。素敵な写真や言葉達がまだ見ぬ風景を明るく想像させてくれます。僕は怖がりで飛行機が苦手なのですが、機内誌を読んでいると心が安らぎます。機内誌を作っている皆さん、これからも体に気をつけて頑張って下さい。
— ジョイマンの高木晋哉 (@joymanjoyman) May 16, 2018
僕も、機内誌が大好きで、自分が飛行機に乗る時はもちろん、昔は友人が飛行機に乗る際には、「機内誌を持って帰ってきて」と頼んでいました。
連載されている方の文章はどれも素晴らしく、情緒があって、行きのフライトで読んだのに、帰りも頭から読みこんでしまうほど、熱中してしまいます。
今、手元に以前ANAさんが発行した「お得の王国」というリーフレットがあります。ANAさんの機内誌「翼の王国」から名前を取った、キャンペーン用リーフレットです。(※掲載がマズイ場合は、秒速で削除しますのでご連絡ください)
キャンペーンの期間が「2006年6月30日ご搭乗分まで」と書かれており、10年以上前に発行されたものです。
この中にある、一つのコラムが僕の中にずっと残っています。
お得の王国の「Present!」というコラム
Present!
世界とは広いもので、いろいろな人がいるようです。
恋人のプレゼントに何百万円もかける人。
プレゼントなんてしたことないという人。
一生忘れられないプレゼントをもらった人。
プレゼントをもらったことすら忘れてしまった人、などなど。
価値観が違えば、おのずとプレゼント観も変わってくるのは当然ですが、それでも、やはりこの世には究極のプレゼントが存在すると思うのです。
それは「会ったこともない叔父の莫大な遺産を相続する」ではないでしょうか。
会ったことのない叔父がいる偶然、その叔父が富豪である偶然、その叔父があなたを相続人に指名する偶然、いくつもの偶然の積み重ねによって、完成された究極のプレゼントだと思います。
それに負けずと劣らないのが、「マラソン大会当日に降る雨」です。
苦手なマラソンを、文字通り流し去ってくれる。
相手は自然現象ですから、畏敬の念すら抱いてしまいます。
ちなみに、僕の妻に質問したところ、究極のプレゼントは「子供」という答えが返ってきました。
納得させられました。
みなさんも、自分にとっての究極のプレゼント探しの旅に出かけてみてはいかがですか?
おっと、その前に本誌でANAからのプレゼントをチェックするのもお忘れなく。
何が良いと思ったのか解説するのも野暮ですし、正直、この後には何も書きたくない気分ですが、少しだけ。
実際のリーフレットは、効果的に改行されているのですが、上記の引用はPCだけでなく、スマホでも読まれることを想定しているため、改行はしていません。
このコラムを読んで、特に何も感じない方もいらっしゃると思いますが、僕は当時感銘を受けて、わざわざANAさんのお問い合わせページから、「お得の王国のPresent!というコラムが素敵でした」といった内容のメールを送ったのを覚えています。そんなことをしたのは、後にも先にもその時だけです。
お問い合わせ担当の方からは、「書いた人間が喜ぶと思います」といった内容の返信をご丁寧にいただいた記憶があります。
これを書いたのは広告代理店の方だろうと当時から思っていましたが、誰が書いていようと、僕は好きだと思ったんですよね。
ANAさんの機内誌の「翼の王国」も大好きですが、キャンペーンのリーフレットにも、翼の王国の世界観を崩すことなく良質な文章が載ってあり、10年以上経った今もずっと大事に持っています。
僕はこのブログで、2018年、桜が美しく感じられなかったひとへという文章を少し前に書きましたが、今読むと文体がこのコラムと随分似てます。
数年ぶりにこのリーフレットを今回読み返しましたが、無意識のうちにこの文体が染み付いていたようで、それぐらい僕にとってはインパクトのあるものだったんだなと感慨深い気持ちになりました。
ANAさんの機内誌「翼の王国」はfujisan.co.jpで最大25%OFFで購読可能です。